何故?缶詰が腐らない理由を解説。缶詰のおいしく食べられる賞味期限、消費期限が長い理由は製造方法に秘密が有り!長期保管を目的とした缶詰は、フランス皇帝ナポレオンの遠征から、日本の長崎で初めて「イワシの油漬け」作られるまで!缶詰の賞味・消費期限が長く腐らない理由から発明と歴史的な起源までを徹底解説しています
缶詰の賞味期限と消費期限~なぜ?缶詰は腐らない理由と缶詰の歴史・起源~
-
缶詰の賞味・消費期限は長く腐らない理由は?
-
長期保管を目的としたナポレオンのエジプト遠征と関係が!
缶詰は、賞味期限、消費期限がともに長いモノが多い。なぜ、缶詰は腐らないのか、長期保管する必要があったのか。缶詰の歴史起源はナポレオンの遠征(1798年~、エジプト遠征)と関連性があります。その理由を製造工程と理屈、歴史的起源からの経緯まで幅広い視点で解説しています
缶詰の賞味期限と消費期限~腐らない理由と一般的な賞味期限~
-
缶詰が長期保管可能な理由「真空 + 加熱殺菌」
缶詰が腐らず長期保管可能な理由は、2点。1つめに、空気を抜いた真空状態で保存している為。2つめに、加熱殺菌によって菌が繁殖しない無菌状態を作り出しているためです。一般的に、食品が腐る理由は菌の繁殖が原因。新しい空気を入れず、菌が存在しない状態であれば、理論上腐ることはありません
-
魚の缶詰と賞味期限「約3年(36カ月)」
-
肉の缶詰と賞味期限「約3年(36カ月)」
-
野菜の缶詰と賞味期限「約2、3年(24カ月、36カ月)」
-
果物の缶詰と賞味期限「約2、3年(24カ月、36カ月)」
スーパーやコンビニ等でお手軽購入できる缶詰。缶詰のフタには、製造年月日が記載あります。個別の缶詰の賞味期限、消費期限は、実際に見て確認しましょう。あくまで、よくある缶詰の賞味期限は、魚(サバ、イワシ、サンマの缶詰)や肉(やきとりの缶詰)の賞味期限は、3年のものが多く、野菜や果物、フルーツの缶詰は、2、3年であるケースが多いです。理論上、密閉されていて、缶詰本体に傷がなく、保管していた缶詰なら腐らないとの事ですが、古いものを無理に食べる必要はありません。期限を過ぎた缶詰は、食べるのはやめましょう
-
番外編「114年前の缶詰を食べた記録:食べる事ができた」
理論上腐らないなら、10年。20年前の缶詰は食べられるのか?という疑問です。記録では、1938年にイギリスで114年前の缶詰を食べた記録によると、味や臭いに変化はなく食べる事が出来た模様。この缶詰は、北極探査機用に作られた缶詰。缶に穴などが開かず、真空状態を維持していたと考えられます(北極探索用であるものポイントです)。しかし、古い缶詰だからと言って食べる必要はありませんし、通缶詰に穴が開いていた、傷がついていた等の理由から、腐ってしまう事も十分に考えられます。真空で無菌だから安全と考えるのは、短絡的な考え方です。缶詰には、賞味期限、消費期限がありますので、美味しく食べられる期間、品質が劣化されない期間を確認しましょう
缶詰の歴史・起源はナポレオンの遠征~フランス発祥の缶詰、日本で初めての缶詰は長崎のイワシの油漬け~
-
缶詰の起源「1798年~、ナポレオンの遠征」
フランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトはエジプトなど諸外国への遠征をしていた時代に缶詰は誕生しました。イギリスの植民地支配が進み、1789年にナポレオンは中継地点のエジプトに侵攻。長期戦になる争いごとや戦争には、食糧物資がなければ兵士たちを維持する事もできません。特に、エジプトは暑い国。ナポレオンは、長期保存が可能な食料を募集します
-
最初の缶詰「1804年、瓶にコルク栓をした缶詰」
当時の長期保存食は、塩臓や燻製などで遠征時の食糧問題がありました。1804年、食品加工業者、ニコラ・アペール等が「広口便に、コルク栓をした初期の缶詰」を開発。今の缶詰と比べて、重く、破損しやすかったのですが缶詰の原型と言われるモノが誕生しました
-
ブリキの缶詰「1810年、ピーター・デュランドが金属製缶詰を開発」
イギリスの商人ピーター・デュランドという人物が、ブリキを使った缶詰を開発。フランスで開発された瓶型の缶詰にヒントを得たのでしょう。ブリキ缶を食品の貯蔵法および蓋をする容器に関して特許を取得、国王のジョージ3世から承認を得ます.。当時の缶詰は、殺菌方法に問題があり、膨張して缶が破裂するなど事故も多かったと記録にあります。1812年には、ブライアン・ドンキンとジョン・ホールが特許を活用し、世界初の缶詰工場を作り、大量生産の時代に突入します
-
アメリカの缶詰と起源「1821年、ウィリアム・アンダーウッドが移民」
1821年、イギリス人のウィリアム・アンダーウッドがアメリカに移民したことからはじまります。その後、本格的に製造がはじまり、1861年の南北戦争でも缶詰が軍事用食料とされました
-
日本の缶詰と起源「1871年、長崎にフランスより製法が伝わる」
1868年の明治維新以後、日本にも缶詰が伝わります。長崎に来ていたフランス人教師レオン・ジュリーにより松田雅典が製造方法を教わる。最初にできた缶詰は、イワシの油漬であったとされています。1877年には、北海道に北海道開拓使石狩缶詰、日本初の缶詰工場が完成し、さけ缶が製造されます
まとめると、缶詰は、フランスで缶詰の原型となる瓶詰めが生まれ、当時争っていたイギリスが金属製の缶詰を開発した起源があり、フランスやイギリスから製造方法が世界各国に伝わったという歴史的な経緯があるのです