森林浴は心のリラックスだけじゃない!抗菌、防虫、消臭などのさまざまな効果がある。近年注目される森の香り「フィトンチッド」の驚くべき効果を迷信や神秘的な話ではなく根拠を持って解説しています
森の中を歩いたりするだけで本当にリラックスできるの?神秘的な力ではなく、科学的に解明されています
イメージ画像:PAKUTASO
森林浴は、樹木が発する香り、フィトンチッドと関連性があります。フィトンチッドとは、樹木が虫や動物に傷つけられた時に発散する化学物質です。この化学物質が人間をリラックスさせたり、殺菌する効力を発揮します。フィトンチッドを浴びる事が森林浴の効果の正体です。その為、森や山の神秘的な力やオカルト的な要素で効果がある訳ではないのです
フィトンチッドは旧ソ連(現:ロシア)のB.P.トーキン博士によって発見「植物が傷つけられると、周囲に物質を放出する事」が判明した
トーキン博士は、植物を傷つけるとその周囲にいる細菌などが死ぬ現象を発見。トーキンは植物が周囲に揮発性物質を放出したためと考えて、この物質をフィトンチッドとした。またマツやヒノキといった針葉樹から発散されるフィトンチッドが、森林の中でヒトをリラックスさせる成分であることを明らかにした
フィトンチッドの活用事例①「桜餅の桜の葉は、クマリンという抗菌作用のフィトンチッド」があり、桜餅を防腐する効果がある
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フィトンチッドの活用事例②「昔から楠のタンスには防虫剤がいらない」と言われるのは、楠にはカンファーと呼ばれる防虫、防腐の効果のあるフィトンチッドがあり、虫が近寄ってこない
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森林浴の効果①「松の木(特に赤松)の独特の匂いが、人をリラックスさせる効果が高い」
イメージ画像:写真AC 三保の松原
木のにおいの一成分a-ピネン(アカマツなどマツ類の特徴的なにおいのもと)のもとでは緊張時に生じる精神性発汗が減少し、逆に指先の血流量が増加し、脈拍数が減少して安定化するなど、副交感神経の働きが活発化し、安らいだ気分をもたらす。静岡県清水市の三保の松原などが、リラックス効果の高い場所かもしれません
出典:森林浴について
森林浴の効果②「ナチュラルキラー細胞が増加・活性化し、ガン細胞に攻撃する(ガン予防)」
2005年、都市部のサラリーマンを被験者とした実験。
森林浴翌日の採血・採尿で生理的な変化を調査し、2泊3日の滞在によってNK細胞活性が52.6%向上したことが確認され、同時に抗がんタンパク質の濃度も上昇していることが確認。2泊3日の森林滞在者と、2泊3日の都市部旅行者で分けて比較対照実験を行ったのですが、都市部への旅行ではNK細胞活性に変化がみられなかったにもかかわらず、林滞在者で約56%のNK細胞活性を再現した。
出典:森林浴について
NK(ナチュラルキラー)細胞はがん細胞があるかないかのパトロールをします。そしてがん細胞を見つけると自分の意思で直接即座に攻撃殺傷します
出典:ANK東京がんセンター